10と11の間

雑記です

化学科を引退する話 第2話

乗車率の自分語りつまらない身の上話、第2話でございます
前回のお話(自分が化学科に進もうとした理由)はこちら(

10point5.hatenablog.jp

)
今回は化学の世界から手を引こうと決めた理由になった期間、すなわち大学2年の話です。
大学2年に上がると、いよいよ専門課程の授業が始まりました。授業の内容は教養課程とそれほど大きく変わるものではありませんでした*1。座学は普通に勉強していれば落ちこぼれることはありませんでしたが、問題は実験でした。2年前期の時間割を示します。ただし青が選択必修、黄色が必修です。

f:id:Riding_rate:20200105114109p:plain

このように学生実験が週3で入っていました。実験自体は午後3時くらいには終わり、あとは自由時間ではありますが、午後に授業が入っている科目は一切履修できないということになりました。そして私は化学科75人の中でずば抜けて不器用なので、人よりも余計に実験時間がかかっていました。もっとも遅い時で退室時刻18:15という記録が残っています。さらに不器用ゆえ実験に失敗することや実験器具を壊すことも多々ありました。このことから気づけば学科内でのあだ名が「破壊王」になっていました。
そして、実験の単位を取るためには実験に出席し、「レポートを書く」ことが必要になります。レポートを書くこと自体は別に苦ではなく、むしろしっかりしたレポートを書く訓練はここでしかできないと思っていたので、1年生の時のように手書きである必要がない分*2楽だくらいに思っていました。しかし提出物には締め切りというものがつきまといます。のんびりとした人間だった私は締め切りにとてもルーズだったので、締め切り直前になって慌てることが日常茶飯事となりました。しかも、だいたい実験レポートの締め切りが所属していたサークル(北大鉄研)の会誌原稿の締め切りと重なっているので、編集局長権限で適当に締め切りを伸ばせるとはいえなかなか難しい判断になりました。

さて、前期の試験を全て終え、夏コミが過ぎ、夏休みが過ぎ、三江線全駅と広島シティネットワーク全駅を訪問し、北海道全線を踏破して*3北海道に戻ってきて、後期が始まりました。ここで3K*4に君臨する化学科が牙をむきます。

f:id:Riding_rate:20200129160633p:plain

週22コマという恐ろしい時間割が完成したのです(うち必修21コマ)。しかも化学実験IVというのが曲者で、実験をやった翌週水曜日にはレポート締め切り、さらにそれ以降の提出は基本的に認めないというもので、その上2年と3年にまたがっているので、落としたらいきなり2留の可能性すらあるという恐ろしい科目です。この実験はまず混合列車の入稿に重なったこと、さらに例のごとくレポート締め切りRTAを毎度やっているので化学実験IIIのレポートと重なり、11月末には大変なことになりました。

(11/29 化学実験IV 最初のレポート提出→11/30 化学実験III 最終レポート提出+混合列車入稿(12/1 午前4時頃に遅延))

しかもこの化学実験IV、有機化学をやりたかった自分にとっては何にも面白くなく、ただ通過点だったので、最低限の仕上げでレポートは提出しました。

レポートを書きつつ日高線本(の原型)を書き、なんとか冬コミまでに間に合わせました。その後同窓会に出るため地元に帰り、戻ってきて後期の試験を済ませたあたりで、親が北海道にやってきました。そして、実験がうまくいかないことが多い中で化学の世界から手を引くことを考え始めました。

この時点で、選択肢は二つありました。一つは別の大学に3年から編入学すること、もう一つは北大を卒業し、大学院から別分野を専攻すること。別の大学に3年から編入学する場合、試験はなんと6月にあることが判明。大学受験の時も浪人を回避した理由の一つに「人生の無駄時間を減らしたい」ということがあったように私は浪人・留年を人生の無駄時間と捉えていたので、北大を退学し別大学*5編入することで1年のロスが生じると考えました。結局、私は北大の理学部化学科を卒業し、他専攻の大学院に進むことで進路を変更しようと決めました。2018年の3月のことでした。

さて、進むならどこの院にすべきか、大学院調べが始まりました。そもそも自分のやりたいことはなんだろうと考え、大学鉄研や日高の街を歩くたびに交通とまちづくりは密接に関わっていることに気づいていたので、最初は都市工学(まちづくり)を専攻しようかと考えていました。交通の研究を専門に行っている研究者は、大概道路の研究しかしていないので*6公共交通とまちづくりをテーマに研究している人はほとんどいませんでした。

またどこの大学院に行くかも決まっていませんでした。2年生の夏頃、東大の先生が書いた地方鉄道の維持に関する論文を見てこの研究室に行こうかと考えましたが、その論文を見つけることはできませんでした。当初は学部での受験を諦めた東大の院に行けば何か変わるかもしれないと思いましたが、東大の先生には著名な先生はいませんでした。

ちょうどその頃、各地のバス路線整備に携わる研究者として、名古屋大学の加藤博和先生の名前をよく目にするようになりました。先生の研究内容は自分がやろうとしていることに近く、これだと直感的に気づきました。

そしてもう一つ、名大に進学することを決めた理由が受験科目です。ほとんどの交通工学を扱う大学院は土木系なので、土木の知識が受験に必要になります。しかし大学院入試に必要な土木の知識を化学科の授業を履修しながら独学で身につけるのはほぼ不可能です。しかし名大の環境学研究科なら入試を化学で受けることが可能でした*7。これは完全に入るべき大学院であると確信した私は、来年夏にここを受けようと決めました。2018年4月でした。

*1:教養課程の化学Iは化学科必修の物理化学I、化学IIは理学部選択必修の基礎有機化学や必修の有機化学Iに対応していました

*2:教養課程での必修科目「自然科学実験」のレポートはコピペ防止のため全て手書きで書く必要がある。

*3:ここら辺の趣味の話は長くなるので省略

*4:化学、建築、看護

*5:当時は知り合いの多かった千葉大学を検討していました。

*6:当たり前ですが、その方が研究費を獲得しやすいからです。

*7:現在は環境化学と名前が変わっています。また私の受けた2020年度入試から選択数3問に対し化学の問題が4問→2問と減っているので注意が必要です。