10と11の間

雑記です

なんのためのMaaS?

みなさん、こんばんは

乗車率です。

さて、皆さんは「MaaS」という言葉、ご存知でしょうか。

MaaSとはMobility as a Serviceの略で、2016年にフィンランドで「Whim」という交通系アプリが誕生した時に広まった概念です。

素人の自分が説明するのも何ですが、ざっくり言うと

「移動を行う際、個人のスマホ等で適切な手段とルートを検索し、決済までワンストップで完了する」ことを目指すものです。総務省のHPにもそう書いてあります。

www.soumu.go.jp

そして、MaaSは次のような段階を踏んで実現していくのが望ましいであろうという「レベル」が設定されています。

https://www.mlit.go.jp/pri/kikanshi/pdf/2018/69_1.pdf#search=%27MaaS+レベル%27

このように、MaaSの実現には「統合」が重要であることがわかります。

しかし、詳細は省略しますが日本のMaaSはアプリ開発に偏重しており、乗換案内プラットフォームが分裂していて*1統合というには程遠い状況です。まして決済となるとどこから手をつければいいのかという有様です。これ(一括決済)に関してはWILLERの釧網本線フリーパスを使った感想とかを書こうと思うのですがそれは別記事で

smatra.jp

さて、決済を統合する前に情報を統合することが必要になるのですが、私はこれをアプリを使わずにやろうとしています。なんでアプリ使わないのかと言われれば自分がプログラムを書けないからですが....

 

その考えのもとに生まれたのが「総合時刻表」です。総合時刻表が何なのかは以下の2記事を参照してください。多分後者のしずさつ氏のブログが役に立つと思います。

10point5.hatenablog.jp

blog.goo.ne.jp

 さて、やはりここで問題になるのが「誰が使うんだ?」って話です。その話をする前に総合時刻表の特性について話しておく必要があります。

 時刻表というのは一次元の世界です。列車は線路の上しか走れませんし、線路の引いてあるところは限られるので、時刻表は1本の路線につき1枚で済みます。分岐する路線については〇〇から/〇〇行などと表記すれば別路線も表記できます。

バスについても、道路自体は網の目のように張り巡らされているものの、バスの通る経路は決まっていますから、これも1枚の時刻表で表現できます。

ところがこの二つを合わせてみたらさあ大変、同じようなところを走っているはずなのにバスが途中で回り道してみたり、鉄道のターミナルとバスのターミナルが全然違うところにあったりと、二次元的に広がっているのです。これを1次元の世界に落とし込むことが重要になってきます。私はこれを、「鉄道という1本の線をバスの方に少し捻じ曲げる」という方法によって解決しました。これにより私の総合時刻表では「鉄道駅とバス停両方を含む項」「鉄道駅のみの項」「バス停のみの項」が混在しています。しずさつ氏は鉄道駅に対して複数のバス停を対応させることで解決しています。

さて、ここで「誰のための時刻表か」という話に戻ります。先ほどから述べているように、総合時刻表は駅以外の要素を入れることは非常に困難です。しかし役所も医療機関も観光地も駅の近くにあるとは限りません。この時点で、一般の観光客や地元住民を対象とすることは難しくなります。

 もともと総合時刻表は駅めぐりを効率化するために生まれたので、駅めぐりをするオタクには役に立ちます。しかし、それ以外に使うことはできないでしょうか。

 それを考えているときにこの「MaaS」という概念が降ってきました。この時刻表こそが「情報を統合する」という点でMaaSの第一歩なのではということです。確かにアプリに比べれば使い勝手は悪いかもしれない。しかし、現時刻以外の時刻を出発とするなら、時刻の設定を要するアプリより自分で考えるだけでいい紙の時刻表の方が分があります。また、徒歩のペースも自分で考えられます。

 また、アプリが想定していない徒歩連絡というのもあります。例えば庄原MaaSでは帝釈峡へのアクセスバスが設定されていましたが、シーズンが終わると運行を終了してしまいました。しかしシーズンが終わっても帝釈峡に行く人はいるわけなのですが、そこに行くバスは庄原市中心部ではなく東城から出ている上に、途中高速バスが停車する「帝釈」バスストップは帝釈峡とは全く違うところにあるのです。間違えて降りてしまった人は帝釈バスストップで降りてまず中戸宇バス停に移動して東城地域生活バスの始終線に乗って未渡で降りるということをしなければなりません。まず東城地域生活バスの始終線の存在を認知するということぐらいには役立つのではないかと考えています。

 では、そろそろ「なんのためのMaaS」かという結論をまとめたいと思います。

 個々人にMaaSについて様々目指すところはあると思いますが、私は「オンライン・オフラインにかかわらず出発/到着時刻と出発地/経由地/目的地が決まれば自分に最適なルートを設定でき、それを実行することができる」ことを第一段階とすべきであると考えています。

*1:アプリはどれだけたくさんあってもいいが、プラットフォームが分かれており、それぞれカバーしている範囲にズレがあると情報を一括で検索できないので、プラットフォームは統一されるか、最低限カバー範囲を統一しておくべきである。